目指せ!GKメーカー Vol.011

怒濤の原型製作編


 第11章 富良野からの手紙!原型製作脱出編

「ペーパーに手がかかりました。いよいよ最後です。さようなら。皆さんさよう なら」っていきなり終わってどうする(笑)。
という訳で「怒濤の原型製作編」も今日で最後です。

○工程

5、仕上げる

実は一番やんなっちゃうのはこの工程だったりします(笑)。にもかかわらず、 かなり重要なんですよね。怪獣などのゴテゴテディティールのものならまだしも フィギュアで表面に傷があったりすると、「荒い」という冷た〜い視線にさらさ れることになります(笑)。女性がエステサロンに通うが如き情熱を持って、磨 き上げましょう(笑)。

やり方は簡単。まず、模型全体に溶きパテを塗ります。何故か原型の素材は白っ ぽい物が多いんですが、白は傷が見えにくいんですね。故にグレーの溶きパテを 塗ってやる事で、傷が発見し易くなります。もちろん小さい傷を埋めるという効 果もあります。

<蛇足>
それゆえ、最近グレーのファンドが発売された。私が愛用してるスカルピ ーにはグレーが無かったので、上位製品のスカルピープロマットの黒と混 ぜて使ってました。新製品「グレイスカルピー」を早く試したいんですが 買い貯めしたプロマットがなかなか無くならなくて(苦笑)。

溶きパテが充分乾燥したら、大きな傷にパテを塗り込んでやります。大抵はタミ ヤパテで済みますが、傷が巨大な場合は、ポリパテ等も併用します。タミヤパテ は厚く盛ると乾きが遅い上、乾くと体積が減りますゆえ(この現象を”ヒケる” と呼ぶ)。

パテが乾燥したら、ペーパーがけをはじめます。ファンド以外の素材で作ってる 場合は、大抵水をつけながら磨きます(”水砥ぎ”という)。これは、熱の発生 を抑えるのと、ペーパーの目詰まりを防ぐ、の2つの目的があります。ちなみに ペーパーがけの際は、新聞紙・ビニールシートを敷いた上で作業しないと結構床 が汚れます(笑)。

これを傷が無くなるまでひたすら繰り返す訳ですね。で、傷が小さくなるにした がって、ペーパーも目の細かいものに変えて行きます。

傷が無くなったと思ったら、サーフェーサーを吹きます。これは細かい傷を埋め る、塗料の食い付きを良くする、等の効果があります。ここでまた傷を発見する 事がよくあるので、また上の作業を繰り返します(笑)。

そうしていって、最終的には#800〜#1000位で磨きます。

傷のない完璧な模型が出来ました。さ〜、終わった終わった…と思ったらまだ甘 い!(笑)。傷を消す段階で、繊細なモールドが一緒に消えてしまうのも良くあ ることなのです。したがって、消えたモールドを復活させるという作業が必要に なります。故に、ディティールを作る段階で、深めにモールディングすると吉。

さ〜今度こそ本当に終わった。お疲れ様でした。

次回からは「驚異のGK生産編 第1章 さらば地球よ!型取り・注型素材編」
の予定です。



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