アイスホッケーで、市民チームの一角が崩れた。
6月19日に日本リーグ所属チームのオーナ会議が行われ、第37回シーズン(2002−2003)
は札幌ポラリスが資金難と選手不足からリーグ戦参加を断念すると表明。
第37回シーズンは29シーズン振りに、5チームで行われる公算が高くなった。
このオーナー会議に先駆けて12日には、ポラリス・オフィシャルファンクラブが17万4000人の署名を集めて、
市の支援を要請。市側は「経営基盤をしっかりして来てほしい。」として、支援に関しては明言を避けた。
市民のほぼ10人に1人が存続を願って署名してるのに........。
アイスホッケーも満足に救済できないくせに、よくワールドカップのプロ野球誘致のとノー天気に言えるもんだなと
外野の俺は思ってしまう。ただ、ポラリスファンクラブは、この状況でも支援を表明しているし、
ポラリスの運営会社「札幌アイスホッケークラブ」は今後一年で、資金、選手試合会場の確保に全力を注ぐという。
かつて桂市長が「存続に関しては市民の盛り上がり次第」と言っていた事もあるので、この一年の出来にポラリス
の再来年が掛かっている。
雪印は社員(無給)選手の今後を保証しておらず「誰のせいでこうなってるんだ!!!!」
と怒鳴りたい。残酷かもしれないが、よほどの神風が吹かない限り存続への見通しは限りなく暗い。
そうなったときには、岩倉組、雪印、ポラリスと続いた伝統ある札幌アイスホッケーの灯は途絶えてしまう。
チーム減が確実視される日本リーグだが、参加を打診していたチームが実は存在する。
しかし、そのチームには大きな問題が存在する。
そのチームのホームタウンはロシア・ハバロフスク。チーム名はHCサモロドク。
今年ロシアの3部リーグで優勝してスーパーリーグ(ロシアのプロホッケーリーグ日本のJリーグで言うところのJ1)
昇格目前と言われるチーム。
しかし、広大なロシアを転戦するよりも、日程と移動距離も短い日本リーグ参加を狙ったようだ。
もし実現すれば日本のスポーツリーグに参加する初の外国チームとなるはずで、実に面白いことだと思う。
この話は、突飛ではなくて第36回シーズンが終了した後、堤会長のコメントで
「近隣の国も参加してアジアリーグ的な規模にしてもいい。」という発言を受けたのだと考える。
アジアといえば、隣の韓国も国内リーグは岐路に立たされている。
そんな状況を考えての発言だった。
毎年、シーズン前に札幌で行われるSTVカップには韓国と中国からチームが参加している。
そういえば、ポラリスが無くなったら伝統あるこの大会も無くなってしまうのか?NHK杯からホッケーが
削られたように......。
手が挙がったのが例えロシアでも、めっけもんではないか?
こうなったら、今年はポラリスの抜けた札幌をホームにして日本を転戦してはどうかと思う。
1チームだけロシアに在っても、我らが日光アイスバックスには遠征費がないから遠征できない
可能性がある。
ただ、連盟サイドでは37回シーズンではなく第38回シーズン(2003−2004)からの参加で話が
進んでいるようだ。
現実的に5チームになったら試合数やプレーオフの調整なども大変だと思う。
5チームで、36回シーズン同様に40試合をするとなれば、各チームが10回戦。
ホームアンドアウェーそれぞれ5試合ずつになる。
チーム数の半端さを補うには、1月の中断期までを前期それ以降を後期にして
それぞれの上位2チームがプレーオフ。それの勝者がファイナルへという形はどうだろうか?
前期後期で対象チームが重複した場合は、別チームに権利が移るなどのことも含めて。
サモロドクが参加すれば、今年同様でいいのだが。
(結集イベントだって、2試合しか観られないってことじゃん!!)
38回シーズンに、ポラリス復活があれば今度は7チーム制である。
贅沢な悩みではないか。
よく「野球も外国人だけのチームを作ればいいのにな。」とか「相撲も外人部屋を作るべき」
という会話を居酒屋でしている連中がいるが、アイスホッケーはそれが現実になろうとしている。
チケットぴあで「ハバロフスクシリーズ」と刻印されたチケットを、手にする時がそこまで来ている。
こうして日本が苦手だった「スポーツのグローバル化」は雪崩のように始まっていく。
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「追記〜2003年の視点から〜」
結果として、サモロドクのリーグ参戦は取りやめとなった。
日程的な問題がネックになったようだ。
アイスホッケーマガジンにつく予定だった「サモロドク選手名鑑」がじつに欲しかった。
2国間を挟んだリーグ戦は実に魅力であったのに........。
これで国際リーグ構想が無くなったのかと思った矢先「日韓リーグ構想」が浮上した。
どちらも、チームや競技人口の減少に頭を悩ましているという共通の問題を抱えている。
けれど、そういうネガティブな考えではなくここは単純に「国際リーグへの期待」ということで
喜んでいいのではないか?
当初予定は日本4チーム韓国2チームという規模であるが、今後どれだけのインパクトを世間に
与えられるかが、リーグ成功の鍵を握るのだ。
運営側には期待したい。