日光アイスバックスのシーズンオフは、衝撃的なニュースから幕を開けた。
主将である高橋朋成の海外リーグ挑戦に伴う退団である。
その後は、合計で7200万円に及ぶ赤字決算。
そしてNPO設立に伴う内紛。
フロントがごたついてる間に、今度は守護神である春名真仁が、海外挑戦を表明
昨シーズンの日本リーグで、ゴールキーパーとして唯一全試合出場を果たし、
ベスト6にも選ばれた選手である。
なによりもバックスにとっては、象徴的な選手でもあった。
主将と守護神をいっぺんに失った、バックスにさらなる突風が吹く。
フロントが栃木県と日光市に対して支援要請をしておらず、
今シーズンの支援が見送られた。
その間、日本リーグも新しく打ち出した”日韓リーグ”の概要が全く決まらず
ファンを苛立たせたし、概要が決まりリーグ名が「アジアリーグ」となって以後
なんら、マスコミへ向けた広報が行われていない事にも首をかしげざるをえない。
そんな中、比較的早くから動いていた文部科学省の支援事業である
「トップレベル・スポーツクラブ活動支援事業」の支援が決定、3年間で総額4500万
が助成される事になった。
しかし県と市の支援は白紙のままだし、最大の広報機関であった栃木テレビの試合中継が
打ち切られてしまった。
地元はバックスというチームをもっと大事にした方がいい。
赤字決算の責任を取り荒井俊典社長が会長職に退き”サプライズ人事”で荒城啓介選手が
社長となった。代表権を持たない取締役社長というのも気にはなるが.......。
使える予算が限られている中で、元西武鉄道の上野秀幸と小野豊を獲得。
春名の抜けたGKも、元ポラリスの橋本三千雄もチームに加わった。
橋本の加入で、はやりポラリス出身の清川和彦にも大きな刺激になるはずだし
もう1人のGK佐藤剛だって、いつまでも”第3の男”に甘んじる訳にはいかない。
でも、やはりマーク・コフマンやジャクソン・ヘイグランドの抜けた穴は大きい。
バックスはシーズンを18人で戦う事になった。
実は選手が有り余ってるコクドにレンタル移籍を申し込んだものの、
諸事情により却下。
なによりも現行の制度ではレンタル移籍が出来ない事がネックとなった。
そして迎えた第38回日本リーグ。
今シーズンは11月15日から、スポーツ界初の国際リーグであるアジアリーグが
スタートするので、日本リーグは前期・後期の2シーズン制となった。
少ない予算、脆弱な戦力で迎えた10月4日の地元開幕戦。
相手は日本製紙クレインズ。
本拠地の霧降アイスアリーナでチームを迎えたのは、例年通り満員のファン....
ではなく、わずか1258人の観客であった。
この試合はオーバータイムまでもつれ込み、3−2で敗れたものの勝ち点1。
翌日に期待を持たせる結果であった。
明けて翌日は観客が1163人で前日よりも観客が減少、試合もさんざんだった。
3連休初日となった10月11日のVSコクド戦はついに1000人を切る966人。
翌日はちょっと増えて1174人。
「満員の霧降」というフレーズに慣れている俺にとっては衝撃だし、チームはなんで
ここまで客が減ったのかを、真剣に考えなければならない。
リーグ開催1ヶ月前まで日程が決まらないという体制側の責任もあるが。
バックスはホッケーで生計を立てるプロチームだが、他の3チームはあくまでも企業の
「部活動」なのである。
だからこそ、アジアリーグを起爆剤にホッケー人気の再興という考えも出てこないのだ。
全く世間が認知していないアジアリーグ開幕まで後1ヶ月。
どう盛り上げるのか?体制側の姿勢は全く見えない。
そして、開幕から4連敗のバックスにも明るい兆しが見えない.......。