タイ ト ル :カウボーイビバップ 天国の扉 
COWBOY BEBOP Knokin'on heaven's door


主なキャスト:スパイク・スピーゲル  山寺宏一 ジェット・ブラック  石塚運昇 
         フェイ・ヴァレンタイン 林原めぐみ
         エド  多田葵 ヴィンセント・ボラージュ 磯部勉  エレクトラ・オヴィロウ 小林 愛  
         ラシード ミッキー・カーチス レンジィ  石橋蓮司
主なスタッフ:監督  渡辺信一郎  脚本  信本敬子 キャラクターデザイン  川元利浩 
        メカニックデザイン  山根公利
        音楽  管野よう子  
        プロデューサー  南雅彦 植田益朗 高梨実 演出 武井良幸


■カウボーイビバップと俺

「おもしれえぜ、カウボーイビバップ。」
98年4月に番組が始まったこの番組の存在を知ったのは、放映が半分を超えていた頃だと思う。
友人から冒頭の言葉とともに番組のアウトラインを聞かされた。
(友人は、最近のアニメにあまり造詣が深くない俺に気を使って「強いて言うならSFルパン」
といったが、微妙な表現である。と今になって思う。)
「テレ東規制でいろいろと手が加わってるんだよな。」
テレ東規制というのは、97年初冬にテレビ東京の誇るドル箱番組「ポケットモンスター」での放映中に
番組を見ていた子どもが倒れたり不快を訴えるという事件が発生。
事件後テレビ東京は、アニメの放送に独自のガイドラインを設定することになる。
それが「テレ東規制」である。
さらに、栃木県で起きた生徒による教師刺殺事件に端を発した「刃物による少年の事件」が
横行した結果、過剰反応ともいえるほどの画像処理が施された番組が、ブラウン管を通じて流されたの
である。「手が加わっている」というのはこのこと。
さて、ビバップだが26話分作られている番組が、半分の13回で終了となった。
これは放送枠の問題と、テレ東的にどうかな?と判断された回がスキップされたらしい。
しかし、テレ東版最終回はある意味で総集編となり、それはそれで貴重な放送。
俺は結局テレ東の放送中に1度も見ることが無いまま終わった。
俺がビバップ体験をするのは、翌年W○W○Wで26話が放映されてからである。
アニメの強者が複数この番組を推すので、一度観てみようと思い放送開始の夜、
TVの前に陣取った。感想は「くぅ〜!面白い!」と思わず膝を打ってしまった。
こんなセンシティブな作品、観たこたあねえと。
まさに衝撃であった。

■ストーリー

高速道路で起きた、タンクローリーの爆発事故。
その時に漏れた物質によって、死者500人というアルバシティー史上最悪の大惨事が起こってしまった。
事態を重く見た火星政府は犯人に3億ウーロンという巨額の賞金を設定した。
コンビニの説教強盗退治などの細かい仕事はあるものの、基本的に貧乏なビバップ号の連中はこの報を
聞いて色めき立つ。さらに、別の仕事にまわっていたフェイが高速での事件を偶然目撃していたのである。
「犯人は死んでない。」そう確信するフェイが独自に行動を開始すると、主人公のスパイクやジェット、エドも
好き勝手に情報を集め始めた。
スパイクの行動力、フェイの美貌、エドのハッキング技術、そして外を眺めながら一人文句をたれるジェット。
4人の個性派集団がそれぞれ、得意な方法で犯人を追い詰めて行く。
その中で現れる謎の男ラシード、マーシャルアーツの使い手エレクトラ、そして死んだはずのヴィンセント.........。
各々がカウボーイ達と接点を持ち、さらに各々が謎を秘めている。
エレクトラとヴィンセントにある刺青の意味は?
ヴィンセントの言う「最後のパーティー」とは?「天と地を結ぶ橋」は何処?
スパイクとカウボーイ達の熱きドラマが始まる。

■感想?

この時期に「バイオテロ」が話の核をなす映画が上映されている。
しかし、一般客も呼び込める「千と千尋の神隠し」と違ってビバップがどんなに人気があっても、所謂
「マイナーメジャー」という範疇である。
もしも、ヒステリックな誰かが「このご時世にバイオテロをモチーフにした映画をやると何事!!!」と
騒がれ、上映中止となる心配は限りなく少ない。
このエピソードはTVシリーズの22話と23話の間ということに設定されているらしい。
もともと1枚岩ではない4人(と1匹)が、徐々にではあるが進むべき方向を見始めつつ頃あいではないか。
アクションと謎解きがきちんと書き込まれていて飽きさせないストーリーだが、この先にある4人(と1匹)の
別れを思うとツーンとくるのである。
終盤のスパイクが駆るソードフィッシュと戦闘機のドッグファイト。
これは必見。
話の本筋とは、まったく関係が無いがこの映画はマイ・フェイバリット・シアターである
「上野スタームービー」で観た。
集客人数300人弱というミニシアターである。
俺はこの劇場の一番後ろの真ん中に座って観るのが無上の喜び。
ただ、なかなか「観たい映画を観たい映画館で」というシチュエーションは難しい。
なんというか、この映画館のもつ空気がいいのだ。
土曜日の最後から2番目の上映時間が一番いい。
形容しがたい雰囲気がそこにはある。
心の底から「ああ、俺は映画を観にきてるんだ。」という気分になれるのだ。
この作品は俺にとって丁度、10年ぶりに観るサンライズ製作の映画。
(ガオガイガーの劇場版が無かったのが原因か?)
あえて名前は出さないが、以前観た作品は「お前、俺と観てるだろ!!!!」と突っ込まれるまで観たことすら
忘れていたのだ。しかし、今回は違う。
観たことは忘れないだろうし、当然DVDも買うだろう。
それほどのアニメであったのだ、カウボーイビバップという作品は。

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